こんにちは、もんちです。
一般職から、建設業界、電気工事士の仕事を始めると
「ん?」ってなる言葉が、たくさんあると思います。
・指示された言葉の意味が分からない
・勉強しようにも言葉の意味が分からない
この記事では、そんな専門用語、現場用語について
現場で仕事をするうえで、よく聞く言葉について
覚えておいたほうがいいと思う用語を、厳選して解説していきます。
現場に慣れてきた人には、物足りないかもですが
「あぁ、あるある」なんて共感してもらえると嬉しいです。
初心者さん向けに、解説していきますので
駆け出しの皆さん、この記事が少しでも
役に立つと、うれしいです。
✓現場でよく使われる用語(建設業界共通)
寸法どりの際、測るときにどこを指すのか
どこからどこまで、場所についてなどを
中心に解説していきます。
建設現場では共通だと思いますので
覚えておくと、すぐイメージできるようになります。
・長さは、mm単位で表現
建設業界において、10m以下の寸法は
だいたい、mm単位で表現することが多いです。
一般の人は、cm表現が多いと思いますので
ここはmm単位表現に早く慣れましょう。
表記例
5cm → 50mm
5m50cm → 5500mm
ちなみに現場での会話の中で
単位まで言うことは少ないので、数字のみで表現します。
会話例
「パイプを2750(にせんななひゃくごじゅう)で切ってー」
2750 = 2750mm = 2m 75cm
スケールも基本はcm表記なので
寸法どりの際、混乱しないように気を付けましょう。
・墨出し(墨を出す、打つ)
寸法を測ったときに、印をすることの総称です。
使用例
照明器具の墨出し
照明器具を設置する位置の印を出していくこと
床、地面に対して、出してある寸法(墨)を
地墨
天井に対して、出してある寸法(墨)を
天井墨
なんて言ったりもします。
墨出ししてって言われたときは
「寸法を測って印をすること」と覚えておきましょう。
・カエリズミ、返り墨(返し墨/返し)
柱や壁の芯墨は、柱や壁が建つと隠れて見えなくなって
しまいます。そのため、柱や壁の芯墨から離れた場所に
もう一本墨を引いておきます。これを返り墨といいます。
基本は、芯墨から1m離れた場所に引いてあることが多く
「メーター返し」と呼ぶこともあります。
補足ですが、スケールで墨出しをするときに
スケールの爪(0地点)から追うのではなく、あえて
100mmに起点を合わせて測る方法があります。
この時に、「100返し」、なんていう時もあります。
100mm返す理由は、スケールの爪が邪魔でうまく
測定できない場合や、より正確に寸法を出すために
100mm返す、という人もいるようです。
・ツラ(面)
総じていうと、スケールの爪が当たる部分って
イメージです。
「柱ツラから1000mm」の場合だと、
測りたい柱の測定起点、柱の手前の面にスケールの爪を当てます。
このあたる部分を総じてツラといいます。
また、自立盤を並べて据えるときなど、ベースの前面を
揃えて据えたりするときに
「隣の盤と前ツラ合わせね」なんて言います。
「ツラから測る」=「手前の面から測る」
「ツラを合わせる」=「面をそろえる」
というイメージです。
○○ツラと接尾語的に使用されることが多いですね。
マエツラ = 前側の面
ウシロツラ = 後側の面
ウチツラ = 内側の面
ソトツラ = 外側の面
いろんな場面で登場するので、どの面を指すのか
イメージできるようにしましょう。
余談ですが、過去に、「ウシロツラ」を「ケツツラ」と
言う職人さんもいました。
「マエ(前)」を「アタマ(頭)」
「ウシロ(後)」を「ケツ」
と例える人もいます。
・シン(芯)
主に中心、真ん中を意味します。
墨出しでは、中心線から追う場合もあるので
「柱芯から2500」といった場合は
「柱の中心線から2500mm」ということになります。
照明器具など、天井に付くものの墨出しの際に
よく耳にします。
「器具芯から1000で非常灯」といった場合は
「照明器具の中心線から1000mmで非常灯が付く」
といった意味になります。
芯から測るのか、面から測るのかで
寸法がかなり変わってきますので
よく聞いて、寸法どりをしましょう。
・ウワバ(上端)
上端、漢字のままですね
上の端っこです。
言葉で聞くと、あんまりピンとこない人も
いると思ったので、入れてみました。
・シタバ(下端)
下端、漢字のままですね
下の端っこです。
・メジ(目地)
天井材、壁材などのボードの継ぎ目、合わさり目、
接合部を表します。
・ピッチ
間隔のことを指します。
「1500ピッチ」=「1500mmの間隔」
・レベル
主に、高さのことを示します。
「レベルを合わせる」=「高さをそろえる」
・GL
ground level または ground line の略です。
地盤の設定値を示します。
地中埋設配管の工事をするときに出てきます。
「埋設配管位置は配管シタバ(下端)で、GL-800mm」
「地盤設定値から800mm下がったところが配管下端」
という感じです。
GLの設定値、墨などは土木屋さんの方で糸を張ったりして
出してありますので、そこを基準とします。
・FL
floor level または floor line の略です。
床の仕上がり位置を示します。
コンセントやSWなどの壁に付く配線器具の
地墨を出すときに、出てきます。
床に「FL+300 コン(または、コンセントのシンボル)」の墨が
出ていた場合、「床仕上がりから300mmの位置にコンセントが付く」
という意味になります。
・SL
slab level または slab line の略です。
スラブの仕上がり高さを示します。
・CH
ceiling height の略です。
FLからの天井仕上がりまでの高さを示します。
✓電気工事士の専門用語
・キュービクル
正式名称:キュービクル式高圧受電設備
ざっくり言うと、高圧受電設備って表記されてる
白っぽいでっかい箱が並んでるアレです。
発電所で発電された電気を施設で使える電圧に変圧する機器を
金属製の箱に収めたものです。
商業施設や病院、工場など、たくさん電気を使う施設で
必要とされます。
6600Vの電圧を、保護(安全)装置を介し、400V、200V、100Vへ
変換し、負荷へと電源を供給します。
・トランス
変圧器のことを指します。
上記のキュービクル内に設置してあり。
6600Vを400V、200V、100Vへ変圧する機器です。
キュービクル内以外でも、400Vを200V、100Vへ
変換する、小型のダウントランスというものもあります。
・盤
配電盤、分電盤、電灯盤、動力盤など
主に、変電所などから来た電源を受け
各負荷へ分配するための箱です。
変電所からの電源を主幹開閉器(メインブレーカー)で受け
主幹開閉器から分岐された負荷開閉器(子ブレーカー)より
負荷へ電源を分配しています。
・幹線
主に変電所内負荷開閉器から分電盤内主幹開閉器までの
主幹のケーブルを幹線と呼びます。
分電盤の幹線であれば、メインブレーカーに
つながるケーブルを指します。
変電所の幹線であれば、変電所の受電するケーブルを指します。
端的に言えば、その電気設備の一発目のケーブルを幹線といいます。
幹線工事、幹線引きというと。
幹線ケーブルを引くという作業のことを指します。
幹線ケーブルは、太いもので太ももくらいの太さの
ケーブルを引くこともあります。
・アース(接地)
大地に電気的回路をつなぐことを意味します。
アースをとる目的としては
・人体の保護、感電防止
・高圧回路に隣接する低圧回路、低圧機器の保護
・精密機器における電気的ノイズの軽減
などがあります。
アースをとることで、ふいに電気が漏れてしまった場合や
不必要な電気的ノイズを、大地に直接逃がし
感電事故や、機器損傷から防ぐ役割をします。
主に緑色のケーブルで施工します。
接地工事にも種類があり、種類、施工条件によって
ケーブルの太さが変化します。
・一次側、二次側
目の前の電気設備を対象としたとき
上流側を一次側、下流側を二次側と表現します。
もっとかみ砕くと
・電気の流入する側を上流、一次側
・電気を流出する側を下流、二次側
と表現します。
変電所から分電盤へ、分電盤から負荷へと
電気が流れていきます。この場合、
変電所→分電盤→負荷
分電盤から見て、一次側が変電所
分電盤から見て、二次側が負荷
となります。
なんとなくイメージできたでしょうか。
一次側のブレーカー、二次側のブレーカー
一次側のケーブル、二次側のケーブル
などと表現することが多く、どっち側?
って混乱する場合もあるので、イメージできる
ようにしておくとよいでしょう。
・強電、弱電
100V以上の電圧のケーブルを施工する際に
強電と呼ぶことが多いです。
ここでいう、100V以上の回路は
コンセント回路や、電灯回路、動力回路の
ことを指します。
対して、100V以下の電圧、主に24V系の電圧の
ケーブルを施工する際に弱電と呼ぶことが多いです。
ここでいう、100V以下の回路は
自動火災報知設備機器の回路(通称:自火報回路)や
放送設備のスピーカーなどの回路を指します。
工場などの生産設備機器などの計装(信号)回路も
これに該当します。
・増し締め、マーキング
増し締めは、ケーブルを端子上げし、ブレーカーや端子台の
ビスで固定、接続した後に、ビスのゆるみがないか確認する
作業のことを指します。
増し締めした後、時間経過し振動などでビスがゆるむことがあります。
このビスがゆるんだことが分かるようにするためにマーキングをします。
他にも、改修などで一度外した場合など、いじったことが分かるように
という目的もあります。
増し締めした後は、必ずマーキングをするのでセットで覚えましょう。
・メガー(絶縁抵抗)
電気工事の施工完了後、その電気回路、ケーブルに対して
必ず絶縁抵抗を測定しチェック作業を行います。
この時の測定機器を絶縁抵抗測定器、通称:メガーと呼びます。
そもそも絶縁抵抗って何?って話なんですが
・電気を通しやすいものを導体
・電気を通しにくいものを絶縁体
と言います。
電気を通すケーブルは導体の外側を絶縁体で保護されています。
導体むき出しでは、感電したり電気が漏れてしまうからです。
電気は漏らすことなく、負荷まで供給しなくてはなりません。
なので、ケーブルは正しく絶縁されていないということになります。
この絶縁状態を表したものが絶縁抵抗です。
・絶縁状態が良いものほど、絶縁抵抗は高く
・絶縁状態が悪いものほど、絶縁抵抗は低く
なります。
絶縁抵抗が悪いと、感電事故、火災などに発展するので
施工完了後は、必ずメガーチェックをしましょう。
・漏電
電気が正しく負荷へ供給されず、漏れ出てしまっている
状態を指します。
ケーブルが傷ついてしまって導体がむき出しになり
鉄骨や軽量下地などに接触したり、防水性の無い
電気機器が浸水し、絶縁不良を起こしたりすると
漏電しています。
絶縁不良とセットで出てくる用語です。
・短絡 (ショート)
現場でいうところの短絡(ショート)は
負荷までのケーブルの中の二線が潰れたり、切られたり
して接触してしまっている状態です。
接触してしまっていると、そのケーブルに大電流が流れ
発火し、火災の原因となります。
✓そもそも覚える事のメリットって?
専門用語でのやり取りによって
スムーズに施工のイメージへ直結しやすい。
コミュニケーションの向上、伝達スピードの向上
などが挙げられます。
お互い、言葉がわかっていれば
連携も取りやすいということです。
電気用語的には、難しくイメージしにくい
ものが多いですが、直接、命に係わる危険性を
表現するものも多いのでしっかり理解しましょう。
✓最後に
今回は、現場でよく耳にする用語を中心に紹介してきました。
電気工事の専門用語に関してはあくまで用語の紹介なので
あまり深堀はしていません。
今後、その用語に対して、詳しく解説を載せていきたいと思います。
今回、紹介した用語がだいたい何を指すのか、
少しでもイメージできるようになっていただければ幸いです。
それでは、またっ!
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